音楽ライセンスガイド · 日本

店舗でBGMを流すための著作権ガイド(日本)

更新日:2026年10月29日

日本では、店舗で音楽を流すことは著作権法上の「演奏」にあたり、原則として権利者の許諾が必要です。このガイドでは、カフェや飲食店、小売店、ホテル、フィットネス施設を運営する方に向けて、必要な権利処理、使用料の考え方、無許諾で利用した場合の扱い、そして直接ライセンス型の音楽カタログの仕組みを説明します。

聴けることと店で流せることは別

音楽配信サービスや動画サイトで聴ける曲、購入したCDやダウンロード音源であっても、それを店内で流してよいという許可まで含まれているわけではありません。個人向けの音楽配信サービスの多くは、利用規約で利用範囲を個人的かつ非商業的な利用に限定しています。

お客様に聞かせる目的で店内に音楽を流す場合は、サービスの規約とは別に、著作権法上の権利処理が必要です。BGMとして使う前に、利用しているサービスが業務での利用を認めているか、また権利処理がどこまで含まれているかを確認してください。

著作権法の基本的な考え方

著作権法第22条は、著作物を「公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として」演奏する権利を著作者に認めています。第2条第7項により、この「演奏」には録音されたものの再生も含まれるため、CDや配信音源を店内で再生することは演奏権の対象になります。

かつては附則第14条により、一部の業種を除いて適法な録音物の再生には演奏権が及ばないとされていましたが、この規定は平成12年(2000年)1月1日施行の改正で廃止されました。現在は、営業として店舗で録音物を再生する場合にも許諾が必要です。

例外として第38条第1項は、営利を目的とせず、聴衆から料金を受けず、演奏者に報酬も支払われない場合に限り、許諾なく演奏できると定めています。通常の店舗営業はこの例外にあたらないと考えられます。

楽曲の権利を集中管理する団体は、著作権等管理事業法に基づき文化庁長官の登録を受けて事業を行います。使用料規程はあらかじめ文化庁長官に届け出る必要があり、届け出た額を超える使用料は請求できません。また、正当な理由なく利用の許諾を拒むことはできないとされています。

二種類の権利と2026年の改正

音楽には、作詞者・作曲者・音楽出版社の権利(著作権)と、歌手や演奏家などの実演家およびレコード製作者の権利(著作隣接権)があります。

現行法での扱い

店舗でのCDや配信音源の再生について演奏権を持つのは、作詞者・作曲者側です。実演家とレコード製作者には現在、店内再生に関する権利がなく、商業用レコードの二次使用料は放送・有線放送について定められているだけです(第95条、第97条)。そのため現時点では、店舗BGMの手続きは主に作詞者・作曲者・音楽出版社の権利を管理する団体との間で行われます。こうした管理事業者は複数登録されており、楽曲によって管理する団体が異なる場合があります。

2026年の改正

令和8年法律第48号により、商業用レコード(音楽CDやインターネット配信音源など)を公に再生・伝達した場合に、実演家とレコード製作者が二次使用料を受け取ることができる「レコード演奏・伝達権」が創設されました。これは利用の可否を決める許諾権ではなく、二次使用料を受け取る権利です。文化庁長官が指定する団体がある場合は、その指定団体のみが権利を行使します。

施行日は公布日(2026年6月24日)から3年を超えない範囲で政令により定められ、このガイドの更新時点では決まっていません。施行後は、店舗BGMについて作詞者・作曲者側とは別に、実演家・レコード製作者側への支払いが生じる見込みです。詳しくは文化庁の改正法解説をご覧ください。

使用料の決まり方

作詞者・作曲者側の使用料は、各管理事業者が文化庁長官に届け出た使用料規程に基づいて計算されます。店舗BGMでは一般に、次のような要素で区分されます。

  • 店舗・施設の面積
  • 業種(飲食店、物販店、宿泊施設、フィットネス施設など)
  • 利用形態(録音物の再生か生演奏か、映像を伴うかなど)
  • 契約期間(年間契約など)

使用料規程は改定されることがあり、改定の際にも届出が必要です。最新の内容は各管理事業者が公表する規程の概要で確認してください。業務用BGMサービスの中には、作詞者・作曲者側の手続きを事業者がまとめて行っているものもあるため、契約内容を確認することが大切です。

レコード演奏・伝達権の二次使用料は、指定団体が二次使用料規程の案を公示し、利用者代表との協議を経て文化庁長官に届け出る仕組みです。協議が成立しない場合は、文化庁長官の裁定を求めることができます。文化庁の通知では、業種ごとのきめ細かな区分、面積や定員数に応じた段階的な設定、小規模事業者の負担への配慮が求められています。今後は、作詞者・作曲者側と実演家・レコード製作者側の二つの支払いが必要になる場合がある点に留意してください。

無許諾で利用した場合

許諾を得ずに店舗で音楽を流すことは演奏権の侵害にあたり、権利者は侵害の停止や予防を請求できます(第112条)。

損害賠償については、第114条が損害額の算定方法を定めています。権利者は使用料に相当する額を損害額として請求でき(第3項)、管理事業者が管理する楽曲の場合は、その使用料規程により算出した額(算出方法が複数あるときは最も高い額)を基準にすることができます(第4項)。損害額の立証が極めて困難な場合、裁判所は相当な損害額を認定できます(第114条の5)。

刑事罰としては、著作権侵害に10年以下の拘禁刑もしくは罰金、またはその併科が定められており(第119条第1項)、法人の業務として行われた場合は法人にも罰金刑が科されることがあります(第124条)。これらの罪は原則として告訴がなければ起訴されません(第123条)。

店舗BGMの無許諾利用について、裁判所が差止めと損害賠償を認めた例(札幌地方裁判所、2018年)も報じられています。

直接ライセンス型カタログとは

直接ライセンス型のカタログとは、提供事業者が自ら制作した、または権利を取得した楽曲を、管理事業者を通さずに利用者へ直接ライセンスするものです。楽曲が管理事業者の管理対象に含まれていなければ、その楽曲の作詞者・作曲者側の権利処理は、提供事業者との契約の中で行われます。

ただし、ライセンスが及ぶのはそのカタログの楽曲だけです。次のような利用は、それぞれ別に確認が必要です。

  • 店内でラジオやテレビを流す場合(第38条第3項に別の定めがあります)
  • 生演奏やライブイベントを行う場合
  • 従業員が個人のスマートフォンや自分で作ったプレイリストを再生する場合
  • ほかの音楽サービスを併用する場合

レコード演奏・伝達権については、指定団体が権利を行使する仕組みです。どの音源が対象となり、BGMサービス経由の利用がどのように扱われるかは、施行に向けて今後定められる二次使用料規程によります。どのサービスを利用する場合でも、施行後の取り扱いを提供事業者に確認することをお勧めします。

確認を求められたときに説明できるよう、ライセンス証書や契約書を店舗ごとに保管しておくとスムーズです。

Mublicについて

Mublicの楽曲はすべてMublicが制作したもので、いずれの管理事業者の管理楽曲にも含まれていません。利用ライセンスはサブスクリプションに含まれており、有料契約の店舗ごとに、QRコードで内容を確認できるライセンス証書を発行します。ライセンスの対象はMublicのカタログに限られます。

  • 業種や時間帯に合わせて雰囲気が切り替わる選曲
  • 客席、テラスなどエリアごとに別々のプレーヤーで再生
  • あらかじめダウンロードした楽曲で、インターネット接続が途切れても再生を継続
  • 店内アナウンス機能

カード登録不要の7日間無料トライアルで、実際の店舗でお試しいただけます。トライアル期間中はライセンス証書は発行されず、証書は有料プランのご契約後に発行されます。

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よくある質問

小さなカフェでも許諾は必要ですか。

著作権法は、店舗の規模によって演奏権の適用を分けていません。営利目的で店内に音楽を流す場合は、規模にかかわらず許諾が必要です。使用料の額は面積などに応じて区分されています。

個人で契約している音楽配信サービスを店で流してもよいですか。

多くの個人向けサービスは、規約で利用範囲を個人的かつ非商業的な利用に限っています。また、規約とは別に著作権法上の許諾も必要です。業務用として提供されているサービスかどうかを確認してください。

購入したCDなら店で流せますか。

CDを購入しても、店内で公に再生する許諾は含まれていません。録音物の再生も著作権法上の演奏にあたるため(第2条第7項)、別途許諾が必要です。

レコード演奏・伝達権はいつから適用されますか。

2026年6月24日の公布日から3年を超えない範囲で、政令により施行日が定められます。指定団体の指定や二次使用料規程の作成はこれから進められるため、文化庁の発表を確認してください。

Mublicのライセンスでラジオや生演奏も対象になりますか。

対象になりません。Mublicのライセンスが及ぶのはMublicのカタログの楽曲だけです。ラジオ、テレビ、生演奏、他のサービスの音楽はそれぞれ別に確認が必要です。

無料トライアルでもライセンス証書は発行されますか。

7日間のトライアルではライセンス証書は発行されません。証書は有料プランのご契約後、店舗ごとに発行されます。

本ガイドは一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言ではありません。法律や使用料は変更されることがあります。個別の状況については、弁護士または管轄の著作権管理団体にご確認ください。

ライセンス込みで、お店に音楽を

すべての店舗に、QRコードで確認できるライセンス証明書を発行します。ライセンスはご契約に含まれています。